イスラエルーハマス紛争:「戦いの正しさ」と「戦い方の正しさ」は別物!
「イスラエルは病院爆破をして民間人を巻き込むような戦い方をしているなんて酷い!」
「でも、ハマスがイスラエルにテロを仕掛けて民間人を盾にするようなことをやっているよね」
平和な日本に暮らしていると、地球の裏側で行われている悲惨な戦いには目を覆うばかりです。
こんなとき、国際法という学問の見地から眺めることは、冷静な議論をする上では、非常に重要です。
戦いが「非日常」である有難さをかみしめつつ、「戦いの正しさ」と「戦い方の正しさ」を確認します!
詳しくは、倉山氏による下記動画をご参照ください。
・悲報!池内恵先生SNSで「デマの流布・誹謗中傷」憲政史家倉山満【チャンネルくらら】
https://youtu.be/rvdunrUfcDI?si=tQvjp7eHT1t-xxSn
前提:戦いは無くならない。でも少しでも戦いの悲惨さは軽減できる
残念ながら、人が人である以上、戦いがこの世からなくなることはありません。
その時は多くの人の命が奪われることでしょう。
少なくとも、国際法の専門家は「戦いが無くなる、もしくは戦いによって人の命が奪われることが無くなるのは、あと1000年で達成すれば早い方」という人もいます。
しかし、そんな中でも戦い自体の悲惨さを少しでも軽減するための「法」が国際法です。
国際法は法で合って法律では無いのであり、守らせる「強制力」は国際社会にありません。
それでも、無くならない戦いに向き合っているのが国際社会です。
「戦いの正当性」は第三者にとっては「わからない」が基本
戦いの正当性を言い始めたらキリがありません。
今回のイスラエルーハマス紛争を見ても、先に攻撃したのはハマスです。
しかし、それ以前に第四次中東戦争までの期間で、イスラエルが軍事衝突で膨張しており、
もともといたパレスチナ人は、ガザ地区という狭い地域に押し込められ、イスラエルから日々圧迫を受けていました。
だったら、イスラエルがそもそも悪い?
いえ、それを言うならイスラエルのユダヤ人は、2000年前には王国を持っており、離散していたのであって、もともとはユダヤ人の土地?
(ヒトラーによる悲惨なホロコーストも)
こうしてみると、あの土地が誰のものか、どちらに戦う大義があり正当性があるのか、戦いの発端は何なのか、
あげだしたらキリがありません。
もちろん、当事者にとっては死活問題です。
日本もかつては「大東亜共栄圏」という大義名分は重要でした。
そしてそれは、日本が敗戦した後も、日本が「悪い国」ではなく少なからぬアジアの国が感謝するなど
重要な意味を持つことがあります。
しかし、基本的にはそれは勝者が決めることであり、歴史が決めることです。
現在進行形の戦いについて、
第三者がとるべき態度としては、どちらかに与したい理由がある場合は別にして、
「わからない」「そういう意見もある」くらいでちょうどいいのかもしれません。
「双方が軍事合理性に合った戦い方をしよう」が悲惨さを軽減する
戦いの正当性はわからなくとも、戦い方の正当性は、悲惨さを軽減するにはとても重要です。
命を懸けて戦う以上、軍事合理性に合わない行動は命取りになります。
もし、病院が軍事施設に利用されている疑いがある場合は、兵隊さんの命が狙われます。
「兵隊さんの命を犠牲にしてでも、爆撃するな」とはいえません。
兵隊さんの命も大切な命です。
しかし、もし病院が軍事施設に利用されていないのであれば、
今度は軍事的に無意味な病院の爆撃をすることこそが、命取りになりかねません。
悠長に無意味な爆撃をする間に、無傷のハマスが悠々と反撃準備ができてしまうからです。
つまり、無意味な殺傷や爆撃は悲惨さを増すばかりで、軍事合理性に合わないのです。
「戦争に勝ちたいんでしょ?だったら軍事合理性に叶った戦い方(悲惨さが軽減された戦い方)をしよう」
こういった「法」の積み重ねが国際法です。
このほかにも、動画では色々な疑問に倉山氏が答えています。
ぜひ、本編をご視聴してみてください!