政党助成金がなぜ必要なのか、その本来の理由と現在は?
政党助成制度とは
政党助成制度とは、
総務省の説明によると
「国が政党に対し政党交付金による助成を行うことにより、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とした制度」です。
かつて、平成初期の政治改革の時代において「近代政党を作るため」として設立された制度です。
政党助成金は、政治改革の一環として平成3年に導入されました。
これは、政党の政治活動を支援し、民主政治の発展に寄与するための施策です。
政党助成金は、政府から政党に対して交付される資金のことであり、政党が公明かつ公正な活動を行うことを保証するものです。
1.政党助成金の成り立ち
政党助成金の主な目的は、政党の経営の安定化や政治活動の円滑化、政党内の人材育成や政策研究の支援、選挙活動の推進などです。
これにより、政党はより強固な組織を築き、有権者に対してより充実した政策と選挙活動を提供することができます。
また、政党助成金の支給は公明かつ公正な手続きに基づいて行われます。
政党は、政治活動費や党議拡大費、政策立案費など、助成金を適切に使用することが求められます。
政党の費用の明細や活動報告書なども提出する必要があります。
2.政党助成金の概要
政党助成金の具体的な内容は、政党によって異なる場合がありますが、一般的には以下の項目が助成の対象となります。
- 政党経営費:政党の運営に必要な経費、事務局や選挙区支部の維持費用など。
- 政治活動費:選挙や党務活動に関する費用、広報活動や集会の開催費用など。
- 政策研究費:政策の研究・立案に関する費用、研究所の運営費用など。
- 党議拡大費:党内の意見交換や合意形成に関する費用、党大会や会議の開催費用など。
政党助成金の支給額は、政党の規模や実績、活動内容などによって異なります。
政党は毎年、政治資金規正法に基づいて政府に申請し、審査を経て助成金が交付されます。
政党助成金の制度は、政党にとって財政的な安定を提供し、政治活動の健全な発展を支援します。
そして、有権者により良い選択肢を提供するための体制を整える役割も果たしています。
3.過去には助成金目的の結党と目され政党も
政党助成金をもらうためには、下記の条件を満たす必要があります。
・国会議員5人以上を有する政治団体
・国会議員を有し、かつ、前回の衆議院議員総選挙の小選挙区選挙若しくは比例代表選挙又は前回若しくは前々回の参議院議員通常選挙の選挙区選挙若しくは比例代表選挙で得票率が2%以上の政治団体。
これに対して、「フロム・ファイブ」という政党がかつてありました。
細川元首相を党首にし、政党名に「5(ファイブ)」が入っています。
当時は政党助成金をもらうため(しかも政党名に5が入っている!)の政党として認知されました。
今も昔も、こういった話は後を絶ちません。
4.近代政党が死語となって
今となっては、「近代政党」という言葉は死語になっています。
近代政党と前近代の政党の違いも、もはや知られなくなりました。
政府と政党、そして有権者との連携による、公明かつ公正な政治とは何か、今一度問い直される必要があります。